皆さん、毎日歯のチェックはしていますか?歯石はついていませんか?気になりだすと放っておけないのが「歯の裏に付いた歯石」です。歯石は歯周病や口臭の原因になり、不潔なイメージがありますよね。毎日忙しい私たちは、せっせと歯を磨いているつもりでも気がつくと付いてしまっていることも多いです。
だからと言って「自分でとろう」と思った方、ちょっと待って下さい!危ない取り方をしようとしていませんか?歯石は簡単にとれるものではありません。自分で自分の歯石をとるのは至難の業で危険がいっぱいなのです。ここでは敢えて「悪い取り方」を5つあげています。「自分流の取り方」にどんな危険が潜んでいるか、ゆっくり考えてみましょう。
その歯石の取り方は危険!
気をつけるべき5つのNG行動
専用の器具以外のものを使う
第一にゼッタイにやってはいけないこと、それは専用の器具以外のものを使うことです。「ちょっと自分で削ってみよう」と思い立ったとき、私たちの身近にある道具としては、針がありますね。安全ピンのようなものも使えると思うかもしれません。
歯石は先の尖った金属でほじくるととれそうですが、このような鋭利なものを口に入れるのは大変危険です。歯ぐきを傷つけたり、大事な歯の表面のエナメル質をも傷つけてしまったりします。歯が傷つくと元には戻りません。また何かの拍子で刺さったり飲み込んだりという事故も考えられます。想像すると怖いですね。安易な道具選びはやめましょう。
消毒していない器具を使う
それでは専用の器具なら良いのかを考えてみましょう。歯石除去専用の道具といえば歯科医院で使用するスケーラーという器具があります。薬局などで購入できますが、やはり使いこなすのは簡単ではありません。
自分で自分の口の中の作業をするのは医師であっても不可能だと言います。またとても尖っていますので消毒していないスケーラーで歯茎や皮膚を傷つけてしまうと、雑菌に感染する恐れがあります。その他、歯を傷つけるとそこから虫歯菌が感染してしまうということも考えられます。口の中は感染の危険もいっぱいです。
鏡を見ないで行う
当然のことですが、自分の口の中を奥の方まで鏡で確認することは難しいですね。自分で歯石を取ろうとすれば見えないまま削ることになります。この行為は健康な歯まで傷つけてしまう可能性が高いと言えます。
そもそも目立つところだけ歯石を削るのは全く意味がありません。歯石除去の目的は虫歯や歯周病の原因を取り除くこと。奥歯についた歯石の除去こそが重要です。見えないまま削ると表面のつるつるしたエナメル質をキズつけ、そこに歯石のもとである歯垢がたまりやすくなってしまいます。返って悪化することになりますので注意しましょう。
力を込めて削る
特に自分で歯石をとりたくなるのは「下の前歯」ですよね。唾液腺があるので、歯石が付着しやすいところです。新しい歯石であれば力を入れずにポロっととれることもありますが、古い歯石は頑固にこびりついているため、少しずつ削っていかないととれません。もしも力を入れて一気にとってしまおうとしたら、歯も一緒に削ってしまうかもしれません。口の中は思った以上に滑りやすいのです。また、歯には細かいヒビが入っている個所もありますので、力をかけたことによって大事な前歯が欠けてしまったりしたら、大変ですね。
初期虫歯を歯石と勘違いする
歯石は普通、黄白色ですが、中には少し黒っぽく変色したものがあります。これは血液が混じってできた歯石だそうです。歯石にもいろいろあるのですね。それでは黄ばんだ白色に見える部分はすべて歯石でしょうか。答えはNO!実は「虫歯」は黒くなる前に、歯の表面のエナメル質を溶かして白っぽくなるのです。これを歯石と勘違いすることも多いようです。もし初期虫歯を間違って削ってしまったら患部が広がったり、他の場所へ感染したりする危険もあります。間違った取り方をして歯がボロボロにならないようにしましょう。
いかがでしたか?
「5つの悪い取り方」に心当たりはありませんでしたか?このように自己流の「歯石の取り方」は危険だらけであるということがわかっていただけたと思います。ところで歯石はどのようについていくのでしょう。私たちの口の中には常に無数の細菌が存在します。細菌が唾液や糖分と反応してできるのが歯垢(プラーク)です。
つまり歯垢は食べカスではなく細菌の塊なのです。歯垢は同じ場所にとどまり、たった二日間で歯石に変わってしまいます。こうして歯石が少しずつ付いていくのですね。最も覚えておきたいのは、これらの歯石は歯ぐきの内側など、自分では見えないところにも隠れている事実です。その隠れた歯石を探して除去し、最後に滑らかに仕上げ、歯石がつきにくいようにしてくれるのが歯医者さんです。見えるところだけ除去し満足すると、状態を悪化させるばかりです。歯石の除去は是非歯医者さんに任せましょう!
まとめ
その歯石の取り方は危険!気をつけるべき5つのNG行動
・ 専用の器具以外のものを使う
・ 消毒していない器具を使う
・ 鏡を見ないで行う
・ 力を込めて削る
・ 初期虫歯を歯石と勘違いする